文章を書くことに少しずつ慣れてきたら、徐々に構成を考えていくようにしましょう。何事にも言えることですが、段取りをしっかり組み立てて、順序立てて展開していくことで、スムーズな流れで物事を進めていくことが出来るようになります。

例えば、部屋を掃除する際にどのような段取りで行うでしょうか。掃除機をかけてから、はたきでホコリを落とす…こんな矛盾した段取りをしていては、何度掃除機をかけても、部屋はきれいになりません。段取りを組み立てなければ、物事の流れは滞ってしまいます。

文章における構成は、段取りに該当するでしょう。読み手に内容を理解してもらうためには、どのような手順を踏んでいけば良いかという組み立てを行っていく必要があります。正しい手順で書かれた文章はとても読みやすく、書き手の主張を感じ取れるようになるのです。

文章の構成といえば、「起承転結」という言葉を思い出す方も多いかと思います。起承転結とは、ざっくりといえば、まず問題提起や結論から入り、具体例を挙げ、違う視点から見て、最後に結論で締めるという文章構成を指します。このような流れで文章を展開していけば、読み手にも結論が伝わりやすくなるというものです。

起承転結の流れは、よく4コママンガに例えられます。わずか4つのイラストしかない中で、話を切り出し、そこからの流れの中で筋道が転換し、最後にオチがあります。4つのコマのそれぞれが起承転結となるという役割を担っているのです。

文章を書く際に、やはり何から書き始めるかは、非常に重要となります。読み手は最初の文章を見て、興味を持って、先の話を読むか、それとも読むのをやめてしまうかを決めるといっても過言ではありません。それだけ起承転結の「起」で読み手の心をつかめるかが重要となります。

そしてもちろん「結」も重要です。読み手はあなたの書いた文章を、貴重な時間を割いて読んでくれたわけです。最後まで読んで良かったと思わせるためにも、締めはきっちりと書く必要があります。「起」の部分と結びつき、終始一貫した考えの下で書かれているかどうか、最後のだめ押しをする部分でもあり、文章のクライマックスなのです。

もちろん文章には具体性を伴わなければなりません。結論ばかりの押し付けは読み手に窮屈な気持ちを与えてしまいます。そのため、結論に至るための様々な材料を用意する必要があります。これが「承」であり「転」なのです。この2つは何も別々に意識しなくとも、1つにまとめても文章の構成としては違和感を与えることはありません。

このように文章にも流れや段取りが必要です。相手に興味を持ってもらうとともに、筋道を立てて、結論に至るまでの過程を説明し、最後に結ぶ…書くということに慣れてきたら、こういった文章の構成にも意識を張り巡らしてみましょう。すると、あなたの文章はきっと、さらに読みやすく、相手に伝えることができるものになるはずです。