これから文章を書くというときに、あなたはどのような心構えでペンを取るでしょうか?

文章を書くことに苦手意識がある方や、あまり文章は上手くないんだけど…と不安になる方に多いのは、「きれいな文章を書かなくてはならない」と、自分自身に余計なプレッシャーを与えてしまうことにあります。キレイな文章を書こうと思うと、それだけで肩に力が入りやすくなるものです。そして、何から書き始めたらいいのか分からなくなってしまいます。

そもそも文章は何のために書くのかといえば、それは読み手に自分が言いたいこと、意見を伝えるためでしょう。にもかかわらず、きれいな文章を書くために、何から書き始めたらいいのかまったく分からなくなってしまうと、完全に支離滅裂な状態になってしまいます。なぜなら、自分が何を言いたいのかも分からないのに、相手には分かるはずもないわけですから。

あなたは日頃から、会話をするときにどのようなことを考えながら話しているでしょうか?友人や家族と会話するに当たって、いちいち話す内容の構成を頭の中で考えて、伝わりやすいように気を配っているでしょうか?

けしてそのようなことはないはずです。プレゼンなどのフォーマルな場面では、事前に伝えるべき内容を考えた上で話を進めることもあるでしょう。しかし、日常会話の中ではなかなか構成を考えて話すということはありません。それでも相手に自分が言いたいことは伝わるものなのです。

文章を書くときも、会話をするときと同じであると考えることが大切です。これから文章を書くけれども、何から伝えたらいいのか…ということを考えるのではなく、何を伝えたいのかという目的をはっきりさせておく。そして自分はこういった理由で結論に至ったということを説明するのです。結論さえはっきりしていれば、そこから先は相手に話しかけて説明するように書くのです。

しゃべるように書くことは、相手に内容をしっかり伝えるために、非常に重要なポイントです。最初からいきなり「起承転結」を考えて書き始めるより、自分がこの文章を通して言いたいことを含めて、相手に説明するように書き進めていくことで、実は自然と読み手に自分の真意を伝えられるような文章が出来上がっていくのです。

自分自身が相手に話しかけるようにすらすらと書く…このようにリズミカルに文章を書いていくこともまた重要です。すらすらと書き進めることが出来るということは、相手にどのような事を伝えるべきか、自然と頭の中で構成が成されていることを意味します。最初から構成のことを考えていては、ペンはまったく進んでいきません。

まずはリズミカルに書くことを楽しむようにしましょう。そのリズムに乗るためには、相手に語りかけるように書くことです。頭の中で相手へ話しかけるように、ペンを進めていけば、自然と文章が次々と紡ぎだされていくようになります。構成は推敲する際に考えればいいのであって、まずはしゃべるように書いていくことで、自分の言いたいことがどんどん整理され、洗練された文章を作る第一歩を踏み出すことが出来るのです。