Month2月 2015

あまり使わない方が良い否定や受け身などの表現

はっきりと自分自身の主張を伝えるためにあるのが文章です。文章を書くにあたって大切なのは、まず最初に言いたいことをズバッと指摘し、読み手の心に強く印象付けることです。そのためには短めに、かつ肯定文で書くことがポイントになります。

文章を書く上では、日本人特有の習慣は大きなマイナスポイントになります。その習慣とは、グレーゾーンを作るということです。これはあまり出しゃばらず、慎ましくするというと、日本人気質にピッタリで、美徳であるようにも聞こえます。しかし、文章では自分自身の主張をしっかり伝えることが出来なければなりません。特に結論の部分については、包み隠さず、真意を書くことが大切です。

きちんと結論を伝えるためには、否定や受け身の表現は避けるべきです。「起承転結」における「起」と「結」については、曖昧な表現は避け、真意をきちんと書いてこそ、文章は本来の意味をもたらしてくれます。

まず否定的な表現についてみてみましょう。例えば、次の文章を読んでみてください。

「私はこの問題については反対している。しかし、状況によっては賛成しないわけでもない。」

筆者はある問題に関して反対しているようです。ずはり反対と書いているために、読み手にも筆者の気持ちが伝わってくることでしょう。しかし、続く文は「賛成しないわけでもない。」と、否定的なフレーズが続きます。否定に否定を重ねた表現になっているわけですが、一目読んだだけでは賛成なのか反対なのかが分かりにくくなってしまいます。否定的に表現することで、意思表示が弱くなってしまうため、結論が相手に伝わりにくくなるのです。

また、受け身に関してはどうでしょうか。以下の文章をご覧ください。

「私は反対したいと思っています。でも状況次第では賛成に回るとも思われます。」

日本人の文章では受け身の表現が多く見られます。この文章の場合では、最後に「思われます」と記述しています。受け身の表現は控えめさを感じさせますが、一方では、まるで自分自身の本意ではなく、どこか他人行儀で、誰かによって意見を変えさせられたようにも聞こえます。

受け身の表現はあくまでも受動的なもので、自分自身の意思ではないというニュアンスが強くなります。最終的な結論として、受け身では自分自身の主張ではなくなり、読み手には強く伝わらないのです。

否定的な表現であえて直球勝負を避けるというのも文法的にはあるでしょう。また、受け身の表現で控えめさを出すのも、文法としては十分にあります。しかし、いずれにしても、本質から遠ざけてしまっているために、文章の中で何が言いたいのかが分かりづらくなります。

つまり、せっかく結論を読み手に伝えるチャンスであるにも関わらず、オブラートに包んでしまっては文章を書く意味がありません。真意を伝えるためにも、きちんと結論を真っ向から書いていく…相手に気持ちがストレートに伝わってこそ、上手い文章になるのです。

段落をコンパクトにすれば、より分かりやすい文章になる

文章はだらだらと、特に改行もせず、ぎっしりとただひたすら文字が羅列されていたら、かなり読みにくいものになるでしょう。適当に区切りを入れることで、見た目にも読みやすさが増します。

その区切りとして、段落が挙げられます。文章の中で内容を段落ごとに区切れば、それだけ読みやすさが高まり、読み手にとってもスムーズに内容を理解することが出来るようになるのです。

では、段落は適当に区切って、改行を付ければ、それで良いのかと言えば、そんなことはありません。ある程度の規則の下に段落を付けていかなければ、段落にしている意味が不明瞭になります。また、見た目は段落になっていても、内容がバラバラだったり、中途半端に話題が終わっていたりすれば、読み手はただただ混乱し、文章を読むという意欲すらも失ってしまいかねません。

では、段落はどのような規則で分けていけば良いのでしょうか。

まずは「起承転結」によって区切るというのが基本となります。「起承転結」にはそれぞれに意味があり、全体としては密接に連携しているのですが、内容には結論を書いていたり、具体例が書いていたりと違いがあります。まずはこの「起承転結」で段落を分ければ、最低4つの段落を作ることができます。

次に、それぞれの段落で内容をさらに細かく見ていきます。段落はそもそも話の転換や内容によって区切ると分かりやすくなります。基準として、1つの段落には1つの内容が書かれていること、そして段落の先頭には、その中で書こうとしている内容のまとめがあることが理想的です。

段落の中にいくつもの内容が盛り込まれてしまうと、読み手に理解しにくいという印象を与えます。読み手は段落が変わると、前の段落と結びつきを意識しながら、話の展開を追っていこうとします。しかし、同じ段落にいくつもの要素を盛り込むと、段落が意味を成さないものとなり、混乱を引き起こす元になるのです。

そこで、内容や展開を意識しながら、文章を区切っていくのです。読み手は新しい段落に入ると、話はどう進んでいくのだろうと、先への興味を呼び起こします。この興味こそが文章を読んでもらう上では大切であり、上手い文章に仕上がっているといえます。

文章を書く際、始めのうちはまずはあれこれと考えずに書いてみることが大切です。慣れてきたら、「起承転結」を意識するとともに、それぞれの中でどんな内容を盛り込むのかを考えましょう。その内容ごとに段落を区切り、見た目にも分かりやすくする…読み手に読んでもらいやすいように考えながら書き進めていくことが大切です。

また、あまりだらだらと長い文章は読みにくさの原因となります。それは段落という単位においても言えることです。長すぎる段落は意味がつながるように、手頃などころで区切りましょう。そうすれば、読み手は文章を目で追っていきやすくなるために、内容を理解しやすくなります。読んでもらいやすくなるように配慮するのも段落の特徴なのです。

接続詞も対象に…無駄を削ぎ落として、1文は短めに!

読みやすい文書というのは、無駄な言葉がなく、読み手にリズムを与えてくれるものです。一文一文がコンパクトに収められているにもかかわらず、そこに気持ちや真意が凝縮されています。そして全体としてまとまりがあり、読み手を納得させるものに仕上がっています。

もちろん、こういった文章はいきなり書けるというものではありません。何も考えずにさらさらと書いた文章は、後で読み返してみると、「ここは必要ないかも」というような部分が必ず出てくることでしょう。実際に書いた文章をもう一度振り返り、より分かりやすい文章を作るポイントの1つとして、無駄な接続詞を省くいうことがあります。

文章を書くにあたって、接続詞を使うケースは多いかと思います。一度書いた文章を読み返してみても、実際に接続詞を使っている部分がたくさんあるのではないでしょうか。例えば、「そして」、「しかし」、「ところが」などなど、接続詞は数多くありますが、中にはその箇所には適当でなかったり、必要とはいえないようなものもあります。

例えば、「そして」という接続詞があります。前の文章を受けて、さらに展開させていく…水先案内人のような役割を果たします。例えば以下のような文章があったとしてましょう。

「私は知らない街を歩くのが好きだ。そして、道端で見つけたカフェに立ち寄ることが多い。そして、そこでゆっくりとコーヒーを飲む。」

この文章を一目見ただけで、目に付くのは「そして」という文字でしょう。やたらと「そして」が繰り返されると、読み手からすれば、目障りであり、余計なことを考えてしまいます。石に躓いたような気分になり、やがて読むことに疲れるでしょう。

そこで、例文から「そして」の文字を削ってみましょう。

「私は知らない街を歩くのが好きだ。道端で見つけたカフェに立ち寄ることが多い。そこでゆっくりとコーヒーを飲む。」

この文章を書いた当初は必要を感じたのかもしれません。しかし、読み返してみて、「そして」がやたらと多いことに気がつき、それを削除してみると、実は意外とすらっと読める文章になる上に、当初、自分自身がイメージした内容と大きな差が出来ないはずです。つまり、「そして」という接続詞は、特段必要でないケースが多いということなのです。

無駄に多く使ってしまいがちな接続詞としては、「しかし」も挙げられます。

「昨日の雨はものすごかった。しかし、今日は打って変わっての晴天になっている。しかし、明日は雪になるそうだ」

上記の例文をみると、「しかし」が立て続けにあることがわかります。「しかし」は前の文を逆説的に捉えるとともに、その直後に自分の言いたいことを書くときに使いますが、この例文の場合、「しかし」を多用しすぎて、本当に言いたいことはなんなのかが分からなくなります。「しかし」の連発は、真意をつかみにくくしてしまう状況を生んでしまうのです。

「昨日の雨はものすごかった。今日は打って変わっての晴天になっている。しかし、明日は雪になるそうだ」

このように1箇所、「しかし」を削るだけで、「明日雪が降ること」を強調する文章が出来ます。そもそも、「打って変わって」と「しかし」という、ともに逆説的な表現が重なってしまっている…これもまた、文章としてあいまいさを生じやすくなってしまうのです。

以上はあくまでも一例に過ぎませんが、接続詞の中には、わざわざ入れなくても、文章としての意味は十分に通じると言うケースは多々あるのです。文章を見直す際には、無駄な接続詞を省いてみることで、心地よく、リズミカルに読むことができ、より洗練されたものにレベルアップさせることが出来ます。

とにかくまずは書いてみる…そこから無駄を削れば良い

文章を書く場合、事前にどのようなことを書くのか、しっかり構成を考えた上で、一言一句に気を配りながら、じっくりと書き進めていく…という方も多いかもしれません。ところが、構成どおりに文章を書いていこうとすると、そればかりに気を取られてしまい、本来の文章を各目的である何を読み手に伝えたいのかという点がぼやけてしまうことになります。

文章を書くのが苦手…と感じる方の多くは、まず原稿用紙やパソコンのワードパッドなどを前にして、何から書けばいいか、どのような順序で書けばいいかで悩んでしまい、どうしてもペンが止まってしまいます。そのうち、本当に書きたいことすらも分からなくなってしまい、支離滅裂な文章になってしまったということも多いのです。

そこで、文章を上手く書くためのポイントとして、まずは構成などを考えず、自分自身の思いや考えなどをつらつらと書いてみることが挙げられます。どのように書き進めていくと分かりやすいだろうかということを考えるのではなく、「自分はこれから、なぜ文章を書こうとしているのか」、「相手に何を伝えたいのか」ということをしっかり念頭に置いたうえで、結論やその結論に至ったエピソードをとにかくつづっていくのです。

このように書けば、文章が出来上がった時点で、脈略のないものになっているのではないか…と心配されるかもしれません。もちろん、この段階ではあくまでも思いや考えをつづっただけの文章になっているので、ある程度見直していく必要があります。

そこで、もう1つのポイント。それは、まずはどんなに長くなってもいいから、とにかく自分の考えを相手に納得してもらえるように、結論からエピソードをつづっていくようにします。これだけ、後で読み返してみた場合、重複するような事柄が含まれている場合もあるでしょう、だらだらと長くて、読み返してみたときに、飽きを感じてしまうこともあるでしょう。見直しを行う際には、このような点を整理整頓し、すっきりと筋道の立った文章に仕上げていくのです。

先ほど、「どんなに長くなってもいいから」と書きました。それは、文章を組み立てる上では、後で何かを付け足すよりは、最初に長く書いておいて、要らないものを省いていく方が、文章として成立させやすくなるということなのです。

実際に自分の書いた文章を読み返してみて、「言いたかったことをすっかり忘れていた」と文章を付け足したとしましょう。ところが、付け足した文章は周りから見れば、何となく宙に浮き、前後の文章とつながりを持つことが難しくなってしまいます。また、書き漏らしを次々と書き足していると、ただ単にだらだらと長い文章に仕上がってしまい、本当に言いたいことがぼやけてしまいます。

文章を上手く仕上げるためには、まずはとにかく書いてみること、そして出来上がった文章で不要なものを削っていくことで、必要なものを残して、手ごろな長さの文章にしていくこと…後で付け足すよりは、まずは書いてみることが大きなポイントとなるのです。

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上手い文章はまず相手の心に深く印象付けることができる!

上手な文章というのは、その文章の中にある筆者の主張はっきりと書かれており、しかも相手にそれを深く印象付けることが出来るものです。文章は相手に何かを伝えるために書くものであり、その主題がぼやけ、何が言いたいのか分からないようだと、本来の目的を果たせていないことになります。

では、読み手に自分自身の主張を印象付けるためにはどうすれば良いのでしょうか。実現するためには、文才が必要だと思われるかもしれませんが、けしてそんなことはありません。相手の心に深く印象を与える文章にするにはいくつかのポイントがあるのです。

まずは、文章の出だしです。「起承転結」の「起」と部分ですが、ここでは問題提起をするという方法もありますが、いきなり結論を書いてしまうのも方法の1つです。まずこの文章は何のためにあり、何を主張したいかを冒頭で明確にしておくのです。「これから、この主張に関して書いていきます」という宣言をすることで、読み手はそのことを念頭に置いた上で、読み進めることが出来ます。

「起」の部分については、けして長く説明する必要はありません。長々と文章が連なっていては、どれが主張になるのかが見えづらくなります。「木を隠すなら森の中」という言葉がありますが、主張を森の中に入れてしまっては、本当に大切な木が見えなくなってしまいます。冒頭で結論を書く場合は、出来るだけ主張を短く、要点をまとめてずばりと言い切ることが大切です。

次に、文章はただ単に結論を冒頭に書けば、自分自身の主張を印象付けることが出来るというわけではありません。まず、冒頭で「これからこの結論のことを書きます」という宣言に過ぎません。結論だけを書いても、それには中身がないため、相手を説得することは出来ないのです。説得するためには具体的な例を書き、その例から結論に至った…という流れで説明していく必要があります。

まず結論を書く…これが「起」の部分ですが、「承」と「転」の部分でより具体的に書いていきます。冒頭で結論を相手に印象付けているため、ここからその結論を納得させることが出来るかは、具体的に書くこの部分の出来にかかっています。ただ、肩に力を入れる必要はありません。どうして結論のように思ったのかを、時系列でも良いですし、具体的なデータを用いてもかまわないので、説明することが大切です。

そして、締めとして、具体例から、やはりこの結論に至ったということを綴ります。文章において一番言いたい部分は、必ず断定の表現で書くことが大切です。ぼんやりした形で書いてしまうと、どうしても相手の心には深く刻み込むことが出来ませんし、それ以前に、結論であることすら分からなくなってしまいます。結論はしっかりと断定して、強く書くことで、読み手に「これが私の主張だ」とより深くインパクトを与えることが出来るのです。

以上のような点に注意すれば、相手に主張を伝える文章に仕上げることが出来ます。何も細かな文法にこだわる必要はないのです。自分が出した結論を強く主張するとともに、それに至るまでの理由やデータなどを並べる…それによって、相手を納得させることができれば、上手い文章であると言えます。

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