あまり使わない方が良い否定や受け身などの表現

はっきりと自分自身の主張を伝えるためにあるのが文章です。文章を書くにあたって大切なのは、まず最初に言いたいことをズバッと指摘し、読み手の心に強く印象付けることです。そのためには短めに、かつ肯定文で書くことがポイントになります。

文章を書く上では、日本人特有の習慣は大きなマイナスポイントになります。その習慣とは、グレーゾーンを作るということです。これはあまり出しゃばらず、慎ましくするというと、日本人気質にピッタリで、美徳であるようにも聞こえます。しかし、文章では自分自身の主張をしっかり伝えることが出来なければなりません。特に結論の部分については、包み隠さず、真意を書くことが大切です。

きちんと結論を伝えるためには、否定や受け身の表現は避けるべきです。「起承転結」における「起」と「結」については、曖昧な表現は避け、真意をきちんと書いてこそ、文章は本来の意味をもたらしてくれます。

まず否定的な表現についてみてみましょう。例えば、次の文章を読んでみてください。

「私はこの問題については反対している。しかし、状況によっては賛成しないわけでもない。」

筆者はある問題に関して反対しているようです。ずはり反対と書いているために、読み手にも筆者の気持ちが伝わってくることでしょう。しかし、続く文は「賛成しないわけでもない。」と、否定的なフレーズが続きます。否定に否定を重ねた表現になっているわけですが、一目読んだだけでは賛成なのか反対なのかが分かりにくくなってしまいます。否定的に表現することで、意思表示が弱くなってしまうため、結論が相手に伝わりにくくなるのです。

また、受け身に関してはどうでしょうか。以下の文章をご覧ください。

「私は反対したいと思っています。でも状況次第では賛成に回るとも思われます。」

日本人の文章では受け身の表現が多く見られます。この文章の場合では、最後に「思われます」と記述しています。受け身の表現は控えめさを感じさせますが、一方では、まるで自分自身の本意ではなく、どこか他人行儀で、誰かによって意見を変えさせられたようにも聞こえます。

受け身の表現はあくまでも受動的なもので、自分自身の意思ではないというニュアンスが強くなります。最終的な結論として、受け身では自分自身の主張ではなくなり、読み手には強く伝わらないのです。

否定的な表現であえて直球勝負を避けるというのも文法的にはあるでしょう。また、受け身の表現で控えめさを出すのも、文法としては十分にあります。しかし、いずれにしても、本質から遠ざけてしまっているために、文章の中で何が言いたいのかが分かりづらくなります。

つまり、せっかく結論を読み手に伝えるチャンスであるにも関わらず、オブラートに包んでしまっては文章を書く意味がありません。真意を伝えるためにも、きちんと結論を真っ向から書いていく…相手に気持ちがストレートに伝わってこそ、上手い文章になるのです。